地震発生時の従業員の行動

(2)給油作業の中止と避難誘導


給油作業と整備点検作業の中止

 地震発生時には、まず人命が何よりも尊重されます。災害や爆発を防ぐために、直ちに給油作業および整備点検作業を中止しましょう。

セルフSSの給油停止

 お客様に自ら給油をさせるセルフのガソリンスタンドは、コンソール部ならびに建物外部の緊急停止ボタンを押し、軽量機のポンプが停止することを確認しましょう。(油をノズルより吐き出させず、軽量機のモーター音が停止するか)

安全な場所への誘導

 ガソリンスタンド内で、安全が確保できる場所に、お客様を誘導します。
 安全が確保出来る場所を、あらかじめ確認しておきましょう。
 次の場所は、地震発生時に危険性が高くなりますので、十分な安全確認をしましょう。

  • キャノピーの下:落下物の恐れがあります。
  • 防火壁のそば:倒壊のおそれがあります。
  • 軽量機のそば:転倒のおそれがあります。

※サービスルームに避難する場合、ドアは必ず開けておきましょう。

避難場所の確認

 ガソリンスタンドに火災や倒壊の危険があるときや、市町村や警察・消防から避難の指示があったときは、避難場所への避難が必要です。
 お客様を避難所に誘導する場合、あるいはガソリンスタンドの従業員が避難する必要がある場合は、最寄りの避難場所・避難施設へ誘導・避難します。
 最寄りの避難場所・避難施設は、ガソリンスタンドの所在する地域の役所・役場に問い合わせるか、福島県のホームページで確認し、地図で場所を調べて「避難所マップ」(様式2)を作成しておきましょう。

避難場所・避難施設を案内している福島県のホームページ

避難所への順路

 避難所へ向かう場合は、最短の順路ではなく、安全な順路を選んで、必ず徒歩で避難します。
 避難所への順路は、2通り確保しておきましょう。被害の状況に応じて、より安全な順路を選んで避難します。

 次のような場所やそのそばは、危険なので通らないようにしましょう。

<危険個所>
  • ガラスや看板など、落下物の危険が多いビルなど
    (住宅やマンションのベランダから植木鉢などが落ちてくることもあります。)
  • 狭い道路
  • ブロック塀、石塀など、倒れてくる心配のあるもののそば
  • 崖、川の近く
  • 電線のそば(垂れ下がった電線には絶対に近づかないこと。)

避難場所への安全な順路を確認し、「避難場所マップ」(様式2)にしるしておきましょう。


<「避難場所マップ」の作成例> (様式2)

避難する際の注意

1. 必ず徒歩で避難しましょう。

 自動車を使うと、渋滞を引き起こし、消火活動や救援活動の邪魔になります。


2. 避難者へのアドバイス

 地震発生時にガソリンスタンドに来店していたお客様は、十分な対策は困難ですが、なるべく安全に避難できるようにアドバイスしましょう。ガソリンスタンド内の備品などで活用できるものがあれば提供しましょう。

ア)服装
  • 夏でも長袖、長ズボンを
  • 頭部を保護できるものをかぶる(帽子、ヘルメット、防災ずきんなど)
  • 綿製の衣類を(化繊の衣類は火に弱く、保湿性が無いので避ける)
  • 底の厚いはきなれた靴
  • 荷物は最小限に
  • 両手が自由になるリュックサックなど
イ)幼児・子供
  • 子供は迷子札などを下げて大人と手をつなぐ
  • 乳幼児は必ずおぶる
ウ)病人
  • マスク、靴下、常備薬を必ず携帯する
エ)避難時
  • 外出中の家族のために、玄関に「○○にいます」とメモを残す
  • なるべく近所の人たちとまとまって避難する(一人暮らしのお年寄りなどに声をかける)

3. 援護を必要とする人への対応

 ガソリンスタンドには、いろいろなお客様が来店します。
 お客様の中に援護を必要とする人(災害弱者)がいる場合は、以下の点に注意して、安全な避難をサポートしましょう。

ア)高齢者や傷病者
援護が必要なときは、複数の人間で対応します。緊急の時はおぶって避難しましょう。
イ)目の不自由な人
まずは何をしてほしいかをたずね、それに応じた手伝いをしましょう。
誘導するときは、杖を持つ手と反対側のひじのあたりに軽く触れ、半歩前くらいをゆっくり歩きます。
階段などの障害物を説明しながら進みましょう。
ウ)耳やことばの不自由な人
話すときは口を大きく動かし、はっきりと話しましょう。
身ぶりや筆談などで、正確な情報を伝えます。紙やペンがないときは、相手の手のひらに指先で文字を書いて筆談します。
エ)肢体の不自由な人
いろいろな障害の人がいるので、適した誘導方法を確認します。車いすの場合は、階段では2人以上で援助をします。
上りは前向き、下りは後ろ向きで恐怖感を与えないようにします。
救援者が1人の場合は、ひもなどを利用し、おぶって避難します。
オ)認知症(痴呆)のある高齢者
説明しても理解されない場合は、手を引いて安全な場所へ誘導しましょう。
カ)外国人
身ぶり手振りで話しかけ、孤立させないようにしましょう。
キ)精神に障害を持つ人
まず声をかけることで気持ちを落ち着かせます。
何をしてほしいかをたずね、それに応じた手伝いをしましょう。
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